債権者一覧表の作成方法
このページでは、債権者一覧表の作成方法についてご説明いたします。
東京地方裁判所民事20部が提供している債権者一覧表(2015年1月27日改訂版)はこちらからダウンロードできます(2020年4月14日時点では最新のものとなります。)。
債権者一覧表(2015年1月27日改訂版)
債権者一覧表とは
債権者一覧表とは、自己破産手続を裁判所に申立てる際に、申立書等と併せて提出する必要書類・資料の一つで、必ず提出しなければなりません。
裁判所は、提出された債権者一覧表を見て、申立人の負債状況、自己破産の必要性、借金の返済を求められなくなる債権者などを把握していきます。
債権者一覧表をみて、裁判所は各債権者に破産手続が開始されたことを知らせる通知を送付します。各債権者は、所定の期限内であれば、破産手続に対する意見を述べることができます。意見が出される場合、「借金が免除されることに対して反対する」といった意見が述べられることが多いでしょう。もっとも、免責不許可事由(借金を免除することが相応しくないような事情)がない場合には、反対意見が述べられても、借金が免除されないことはまずありません。そのため、特にクレジットカード会社や銀行が、意見を出すことはほぼありません。
債権者一覧表への記入内容とそれぞれの注意事項
- 最初の受任通知の日
- 受任通知日は必ず記入します。これは、弁護士が介入した後で、申立人が新たな借入れをしていないか、一部の債権者に対して返済をしていないか、といったことをチェックするために重要なポイントだからです。
任意整理が先行している場合は、任意整理の通知日と破産に切り替える旨の通知をした日の両方を併記します。なお、破産切り替えに至った経緯については、「破産申立てに至った事情」の中で詳しく説明する必要があります。
- 債権者名
- 債権者名を書く順番は、借入年月日または購入年月日の古い順に上から記入していきます。同じ債権者から、何回も借り入れている場合(例えば、一度返済してまた新たに借りた場合など)には、初めて借り入れた時期を基準にして記入します。
債権者名の欄には、債権者の正式な氏名または名称を記入する必要があります。
相手方が法人の場合は「株式会社」なども省略せずに記入します。銀行や信用金庫等の場合は支店名も記入します。
また、債権者には、クレジットカード会社や銀行だけでなく、親族・友人・勤務先などからの借入れもすべて記入しなければなりません。
- 住所(送達先)
- 破産手続が開始したことを知らせる通知書の送り先を記入します。書面を受領してもらうための住所なので、正確に記入しなければなりません。
なお、個人情報保護のため、個人債権者の電話番号・携帯電話番号・ファックス番号及びメールアドレス等は記入しないよう、裁判所から求められています。
- 借入始期と終期
- いつからいつまで取引をしたかを記入する欄となります。
もしお手持ちの資料などから正確な日付が分からない場合には、債権者に連絡をして、正確な日付を教えてもらいましょう。弁護士に自己破産の申立てを依頼した場合、こういった連絡も弁護士が行います。
借入れが1回のみの場合には、「平〇年〇月〇日のみ」と記入します。また、西暦と元号とを混在させないように記入しましょう。
- 現在の残高
- 現在の残高についても正確な金額を記入する必要があります。消費者金融からの借入れで、利息制限法による引直しが必要な債権については必ず引直しを行わなければなりません。そして、債権者一覧表の備考欄に「引直し済み」と記入します。
- 原因・使途
- 「原因」欄には、A=現金の借入れ、B=物品購入、C=保証、D=その他、のいずれかの記号を記入します。
「使途」欄には、借入金を何に使ったのか、だれの何の債務保証(夫の住宅ローンの保証、自分が経営している会社の事業費の保証など)をしたのかなど具体的に記入します。また、原因が「物品購入」の場合、「使途・内容」欄には、「何を買ったのか」について、その購入品目を具体的に記入する必要があります。
連帯債務の場合、使用・内容欄に「保証」と記入するのではなく、原因欄でC=保証を選択し、備考欄に主債務者名を記載します。
- 保証人
- 保証人欄には、保証人が付いている場合の保証人の名前を記入します。保証人が付いている場合の保証人の有する求償債権、公共料金の滞納分、勤務先からの借入れ、家賃の滞納分、親族からの借入れなども忘れずに記入します。
- 最終返済日
- 「最終返済日」と「一度も返済していない」のいずれかにチェックをします。1回でも返済をしている場合は、最終返済日を記入します。
- 備考
- 備考欄には、具体的な担保の種類、債務名義(強制執行受諾文言付公正証書も含む。)の有無・種類、訴訟係属の有無、差し押さえ、仮差押えの有無を記入します。また、これらがある場合には、その関係書類の写しを提出しなければなりません。
その他の注意事項
- 保証債務の場合
- 最終弁済日は主債務者ではなく保証人たる債務者が弁済した日(1度も弁済していない場合は、「1度も返済していない」という箇所のチェック)を記入します。
同一の債権者に対して保証分と本人借入分があるような場合は金額を分けて記入します。なお、事業費と生活費の借入れがあるような場合にもわかる範囲で金額を分けて記入します。借入時期欄には保証契約日を記入します。
- 代位弁済により債権者が変わっている場合
- 代位弁済とは、保証会社などがあなたに代わって銀行などに弁済をすることにより、債権者が銀行から保証会社に代わることです。
代位弁済がなされたときは、新しい債権者の名称、住所を記入します。ただし、原因使途欄等には、原債権者から借り入れたときの事情を記入します。また、「備考」欄には原債権者名、代位弁済日を記入します。
求償債権は、「借入時期」、「現在の残高」、「原因使途」各欄に原債権の内容を記入し、「備考」欄に原債権者・代位弁済日等を表示します。
最終返済日は、代位弁済日ではなく、債務者による最終返済日を表示します(債権譲渡があった場合の記載方法も同じです)。
- 公租公課
- 公租公課用の一覧表に記入します。「種別」欄には、所得税、住民税、預かり消費税、固定資産税、自動車税、国民健康保険料、国民年金保険料などを具体的に記入します。
なお、公租公課がある場合には、公租公課用の一覧表に、公租公課を含む債権者の総合計人数及び現在の残金の総合計を記入します。
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