借金の免除を求めて裁判所に申立てを行う自己破産手続。ここではそのメリットとデメリットを解説します。
自己破産のメリットは、やはり借金がゼロになるということです。
債務整理には、自己破産の他に、任意整理と個人再生という手続がありますが、借金をゼロにすることができるのは自己破産だけです。
免責不許可事由といって、借金の原因が過度に高額な飲食や買い物、風俗、ギャンブル、投機行為などである場合で、さらに管財人の調査にも協力しなかったような場合には、例外的に借金の免責が認められないこともありますが、よほどのことがなければ、免責許可を受けることができます。
免責不許可事由がある場合の自己破産についての詳しい解説は こちら
自己破産の主なデメリットは、①財産の換価処分、②職業についての資格制限、③信用情報機関への登録、④官報公告紙への掲載、⑤保証人が付いている場合に保証人に請求がいく、の5つです。
自己破産をするに当たって、不動産、自動車、生命保険、預貯金などがある場合には、原則としてこれらをお金に換えて、債権者に債権額に応じて平等に分配しなければなりません。
もっとも、生活の再建のために必要な最低限の財産まで没収してしまうと、自己破産をした人は生活再建を図るどころか、明日の生活さえままならなくなってしまいます。このため、処分しなくてもよいとされている財産がいろいろと定められています。これを自由財産といいます。例えば、99万円以下の現金、20万円以下の預貯金、時価査定額20万円以下の自動車などです。
自由財産についての詳しい解説は こちら
自己破産をすると、一定期間、制限を受ける職業があります。
どの職業が制限を受けるかは、通常、それぞれの職業を定めた法律に記載されています。例えば、弁護士であれば弁護士法に、生命保険募集人であれば保険業法に、といった具合です。
もっとも、自己破産をすると一生これらの職業に就けなくなるわけではありません(通常は、自己破産を申立ててから4~6か月の間だけです。)。
自己破産によって制限される職業については こちら
自己破産手続を行うと、その情報が7~10年間、信用情報機関に登録されます。カード会社やローン会社は、この信用情報を確認して与信を行うので、この7~10年の間は、新たな借入れが難しくなります。
自己破産手続を行ったことが、官報という政府が発行している文書に掲載されます。もっとも、普通の本屋で手に入るような文書ではありませんので、一般の方がこれを見ることはほぼありません。
保証人が付いている場合、主債務者が自己破産手続を行うと、債権者は保証人に対して一括弁済を求めるようになります。このため、もし借金の中に保証人が付いているものがある場合には注意が必要です。自己破産手続をする前に、保証人に事情を説明しておく必要があるでしょう。
このように、自己破産手続は、借金をゼロにすることができるという点で、非常にメリットの大きい手続ですが、同時にデメリットもございます。そして、そのデメリットの大きさは、財産をたくさん持っているか、保証人が付いているかなどによって、クライアント様ごとに異なります。
イデア・パートナーズ法律事務所では、クライアント様の個々の状況を十分把握した上で、クライアント様にとって最も適した債務整理手続をご案内させていただいております。
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