任意整理の流れ
弁護士が消費者金融などの債権者と個別に交渉を行い、月々の返済金額を減らし、利息のカットも目指していく任意整理。ここでは任意整理の流れについて解説します。
任意整理の流れ
任意整理の手続は次のように進んでいきます。
ご依頼~引き直し計算
- 任意整理のご依頼
- 法律相談後、費用のお見積りや今後の流れについてご説明させていただきます。
任意整理をご希望の場合、当日中にご依頼いただくこともできますし、後日郵送でご契約いただくことも可能です。
- 受任通知の発送
- 任意整理のご依頼をいただきましたら、当日か遅くとも翌日には受任通知を各債権者に発送いたします。
これにより、金融機関等からクライアント様への直接の催促はストップすることになります。
同時に、残元金、利息、遅延損害金等の把握のために、債権者とクライアント様との間のキャッシングやショッピングの履歴(取引履歴)の開示を求めます。
- 取引履歴の開示
- 受任通知の発送から2週間から1か月ほどで、債権者から取引履歴書が法律事務所に送られてきます。
- なお、自己破産の場合には、借金の免除が認められるかどうかの判断に当たって、借入れの理由も大きく考慮されるため、いつ何を購入したかという点も確認させていただきますが、任意整理の場合には、和解成立に当たって、借入れの原因は特に問題にならないことが多いため、通常、弁護士は、残元金、利息、遅延損害金の額だけに着目し、商品の購入履歴などを入念にチェックすることはございませんのでご安心下さい。
- 引き直し計算
- 取引履歴書によって、借入れと返済の状況、残元金、利息、遅延損害金の額などが判明しましたら、払い過ぎの利息がないかどうか確認します。平成18年以前は、多くの消費者金融において、利息制限法を超える利息で貸し出しを行っていたことから、平成18年以前から取引が継続しているような場合、引き直し計算によって、債務額が減ったり、過払い金を請求できる場合があります。
和解交渉~完済
- 和解交渉
- 引き直し計算によって、債務額が確定しましたら、いよいよ金融機関等との和解交渉を開始します。
この中で、長期の分割による月々の返済額の圧縮、利息のカット、遅延損害金のカットなどを求めていきます。
- 和解契約の締結
- クライアント様と債権者の双方が納得できる条件で合意ができれば、和解成立となります。
和解契約書を作成して、これを債権者とクライアント様(弁護士による代理締結が可能)とで署名捺印をして、和解契約の締結が完了します。
- なお、和解契約書は、債権者により、和解書、合意書、債務弁済和解書、支払合意書などというタイトルが付いていますが、いずれも内容としては和解になります。
- 和解契約に基づく返済
- 和解成立後は、クライアント様において、和解契約に基づく返済を行っていただくことになります。
- 和解によって、利息がカットされますが、和解契約で定めた返済を怠ってしまえば、当然遅延損害金が発生することになりますので、しっかりとした返済計画の下で、返済をしていく必要があります。
- 完済
- 和解契約で定めたとおりの金額を支払い終われば、完済となり、当該債権者との間では負債は完全になくなります。
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