収入の減少によって、10年前に組んだ住宅ローンの返済が苦しくなってきてしまいました。このままだと競売されてしまうのでしょうか?競売はできる限り避けたいですが、弁護士に相談すれば、競売を避けることもできるのでしょうか?
A-19借金を整理するための方法として、「自己破産」「任意整理」「個人再生」という3つの手段があります。 もし住宅ローン返済中の持ち家がある状態で自己破産をすると、抵当権者が抵当権を実行して持ち家を処分し、債権の回収に充ててしまいます。つまり、自己破産では、原則として持ち家を守ることはできません。
個人再生は、自己破産と同じように裁判所に申立てをします。そして、借金を最大10分の1(1500万円以下の借金であれば最大5分の1)にまで圧縮してもらえる非常にありがたい手続です。しかし、持ち家があって、抵当権が付いている状態で個人再生を申立てると、原則として、住宅ローン以外の債権は圧縮されますが、住宅ローンについては、抵当権が実行されてしまい、持ち家は競売にかけられてしまいます。そこで、「住宅ローン特則」という制度を利用します。これは、債権者平等の原則に反して、住宅ローン以外の借金だけを5分の1に圧縮してもらえるという制度です。これにより、住宅ローンは圧縮されずに、これまでどおりの方法で支払っていくことになります。そうすると、当然住宅ローンの貸主も抵当権を実行してきません。これにより、例えば、住宅ローンが1000万円残っていて、その他の借金が500万円あるという場合、住宅ローンについてはそのまま1000万円を返していきますが、その他の借金を100万円にまで減らせるので、持ち家を失わずに借金を大幅に減らし、完済を目指していくことができるのです。
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